【病気の話】猫の糖尿病
犬猫でも人間と同じように糖尿病になることがあります。
最近メタボリック症候群という言葉が流行っています。人間の社会でも健康志向が高まっているのでしょう。犬猫でも人間と同じように糖尿病になることがあります。特に猫は糖尿病になりやすいのです。なぜでしょう。
生物学的に言うと、猫の舌には甘味を感じる部分がありません。
雑食の犬に比べて、より野生に近い猫はほぼ「肉食」なので炭水化物である甘味は感じる必要がないまま進化していったのでしょう。
でも、「うちの子(猫)は甘いものが大好きなんです」とか「うちの子饅頭や生クリームが大好きです」なんて飼い主さんの話はよく聞きます。食べ物の味はいろいろな素材の味が複合した結果なので、甘味を感じなくても総合的に美味しいと感じても不思議ではありません。
では、おいしいからといって猫が大量に炭水化物を摂取したらどうなってしまうでしょう。
食餌中の炭水化物を腸で吸収するためにはまず消化しなければいけないのですが、猫は炭水化物を消化してグルコースに変える能力が低いのです。中学の理科で習ったかもしれませんが、「ヒト」の場合、炭水化物は唾液と膵臓から分泌される『アミラーゼ』という消化酵素によって消化されてグルコースに分解されます。しかし、本来炭水化物を必要としない肉食の「猫」は唾液中にアミラーゼは全く含まれず、膵臓からのアミラーゼも犬の5%程度しか出ないといわれています。
ポイント → アミラーゼが少ないので消化しにくい → 食べ過ぎると消化できなくて下痢
それでも大量に摂取したら、猫の体内にはグルコースがたくさん取り込まれていきます。ヒトや犬であれば、消化吸収されて肝臓に入ったグルコースはエネルギーに使われたり、余った分はグリコーゲンとなって貯蔵されます。しかし、猫の肝臓にはグルコースを利用する能力がほとんどないので、そのまま糖分が全身循環に回ってしまいます。つまり、血糖値が高くなるというわけです。
この高血糖な状態が続くと、血糖値を下げようと体が頑張ってインスリンを分泌し続けるのですが、やがて疲れてしまってインスリンを出せなくなってしまいます。インスリンが出なければ血糖値は高いまま。こうして糖尿病になってしまうのです。
ポイント → 食べ過ぎると高血糖 → 猫の肝臓は処理できない → 糖尿病
もちろん、糖尿病の原因はこれだけではありません。猫はストレスをかけただけでも血糖値がぐんと上がったりしますし、生まれつき糖尿病の素質を持って生まれてくる子もいるでしょう。ただ、甘いものをあげていて糖尿病になってしまうのは、明らかに人間の責任です。人間と生活するようになったから起こる『生活習慣病』といえるでしょう。
甘いものをあげているヒト、今後は注意してくださいね。
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